最近働いていて少し思うことがあったので,忘れないうちに書き留めておこうと思います.
本記事は,「会社で働くってどういうことなんだろう?」ということについて個人的に感じたことを述べたものになっています.
就活を控えた学生や,新社会人の方に読んでもらえると嬉しいです(もちろん入社してから数年経っている方にも).会社に対するイメージや働くことへの気持ちの持ちようが変わってくるかもしれません.
さて,事の発端は社内の会議で人件費の話題が挙がったことに始まります.
管理職の方が言うには,どうやら会社は人件費として,私たちが普段頂いているお給料の2倍程度の額を1人につき払っているらしいです.
それを聞いて思いました.「だったらその額を給料として私達にくれれば良いじゃん!」
なんて私は馬鹿なんでしょう笑.話はそんな単純じゃありませんね.人件費には食堂などの福利厚生や施設利用料も入っています.
さらに管理職の方は続けます.「だから就業時間中の社員の時間は会社にとって非常に貴重な時間だ.遊んだり無駄なことをせずに働きなさい」
まぁごもっともです.言いたいことは非常に分かります.さて,ここで1つ疑問が湧きました.この管理職の方はどの立場から喋っているのだろう?,と.
会社は会社以上でも会社以下の存在でもありません.当然ですが,家族でもなければ友人でもありません.法律上は「法人」ということになります.
そして私たち会社員は労働力を会社に提供し,会社はその見返りとしてお給料を社員に渡します.それ以上でもそれ以下でもありません.
何が言いたいかというと要するに,私たちのために会社は存在していないということです.
会社が目指すものは,私たち社員の幸せでもなんでもなく,会社自身の成長です.なぜこうなるか皆さんは分かりますか?
会社は株主のものだからですね.
最近ではLIXILで株主による社長交代のいざこざがありましたね.会社は社長のものでもありません.株主のものであるということを最初に理解しなければなりません.
そして株主が要求することは会社の成長です.株価が上がるほど株主は喜びます.
株主は議決権を持ち社内の重要事項を決めることができるので,会社は株主の言うことを聞かなければいけません.
ですので先ほど申し上げたように,会社という「法人」は自身の成長を望みます.決して社員の幸せを考えてくれるなどと勘違いしてはいけません.
「でも待って!,うちの会社は福利厚生もしっかりしていて社員にちゃんと還元してくれているよ!」
はい.おっしゃる通りそういう会社ももちろんあります.しかしそれは,あくまで社員のロイヤリティ(忠誠心)を高めるために行なっている施策と考えた方が良いでしょう.社員によくすることによって,社員は愛社精神を持ち,会社のために頑張ることで結果として業績が上がり,会社の成長につながる.そう考えるのが筋です.言い方は悪いですが,馬の前にぶら下がっているニンジンと一緒です.
何が言いたいかというと,会社に勤めているうちは会社のために働かなければならないということです.
何を当たり前のことを言っているんだ,と怒られてしまうかもしれませんね.
そしてそうなると,最初の管理職の言葉は,会社員の鑑のような発言であるということができます.会社員の立場でありながら,会社の立場に立って物事を考えている.これは会社にとって素晴らしいことです.
自分のために働いている方ももちろんいらっしゃると思います.私もそうですし,ほとんどの方がそうでしょう.自分の体なんてどうなってもいいから,会社の成長を常に望んでいるなんて人はいません.会社はそこの上手い塩梅を探っていると言うことができるでしょう.社員を気持ちよく働かせるための最低限の報酬は与えなければなりません.そして適切な利益分は内部留保にまわす必要があります.少なくとも会社側からしたら,社員は会社のために働くのが当然であるということです.
ここまでくると,会社が皆さんのために何かしてくれると思うのは違うということが分かりますね?「会社がもっとこうしてくれればいいのに」と愚痴を垂れるのはお門違いです.はっきり言ってしまえば,会社はあなたのご機嫌を取ることよりも,会社自身の成長を望みます.
また就活の際に志望理由として「御社の企業理念に共感しました」と述べることの重要性が分かると思います.自分は学生時代,全く意味が分かっておりませんでした.寧ろ定型分でそう述べることがダサいことだとすら思っていました.今思えば,あのときの私は間違っていました.会社員はその会社の会社員である限りは,常に会社の成長を考えながら働き続けなければならないのです.嫌なら辞める一択です.ですので,会社の企業理念に共感するということは,浅いところではなく,むしろ深いところで非常に重要であると言えます(会社員として会社を成長させる立場にあるのに,企業理念と自分の気持ちが違っていたらいけませんよね?).ここら辺のことを理解している就活生は優秀だと思いますね(プロ過ぎて引くレベルです).
私は民間企業の研究職をしていますが,当然研究内容はトップダウンで上から降ってきます.ここら辺が大学の研究とは少し違うところですね.どんなに優秀な研究でも,企業の経営方針に沿っていなかったり,利益が見込めなかったりすれば中断されます.というより若手のうちは研究内容が勝手に上から降ってきます.
もし皆さんが,真に自分のために働きたいのであれば独立するしか道はありません.独立してフリーランスになったり,起業して法人を設立すれば,真の意味で自分のためだけに働くことができるでしょう.利益を丸々受け取ることができますし,必要であれば会社に内部留保という形で蓄えておくこともできます.人が足りなければ雇うこともできます.最近ではYoutuberの方も個人で法人化して,税金を安くしたりしているのを見かけますね.
法人化して株を100%持っている状態であれば,真の意味で自分のためだけに働くことが可能になるでしょう.その意味では株を100%持っているオーナー社長は,たとえどんなに大企業であったとしても真の意味で自分のために働いていることになりますね.もちろん社会貢献のために事業を展開している方もいらっしゃるとは思いますが.
まぁ色々書きましたが,会社員でいるうちは会社のために働かなければならないよ,会社が自分のために何かしてくれると思っちゃ駄目だよ,ということが言いたかったです.会社は会社員の幸せを別に望んではいません.
じゃないと本人が望まない無慈悲な転勤辞令なんてこの世にあり得ませんよね?
そういうことです.
けどこれは逆に社員と会社が対等であるということも指し示しています.会社のために体や精神をすり減らす必要もありません.嫌なら辞めてオッケーです.辞めたらチームの業務が困るだとか,管理職の評価が下がるとか知ったこっちゃありません.
そのあたりは柔軟に対応することが必要です.周りを見極めて,待遇の良い会社に積極的に転職してしまいましょう.
それでは皆さん,頑張っていきましょう.
ではまた.