今回は理系の学部4年生,大学院の修士1,2年生に向けて,卒論や修論を書く際に必要となるTEX環境の構築について記事を書きたいと思います.
卒論を書く時期になると,理系の学生が直面する問題がTEX環境の構築です.慣れてしまえばどうってことはないのですが,初めてTEXで卒論や修論を書けと教授に言われた時は誰でも戸惑うと思います.
しかもやっかいなのは,TEX自体がアプリで存在するわけではなく,あくまで組版処理システムなので自分で環境構築する必要があるということです.筆者も大学4年時に悪戦苦闘した思い出があります.しかし,手順さえ分かってしまえばTEXの環境を構築して卒論や修論に取り掛かること自体は難しくないので,サクっと環境構築してしまいましょう.
今回ご紹介する方法は2つあります.
1つ目:「Latex2ε 美文書作成入門」に付属のDVD-ROMを用いる方法
初心者の方には,こちらの方法をオススメします.1つ目は「Latex2ε 美文書作成入門」という本についているDVD-ROMをパソコンに入れてTEXをインストールする方法です.
[改訂第8版]LaTeX2ε美文書作成入門
この本の後ろにはDVD-ROMがついているのですが,それをパソコンに入れてマニュアル通りにインストールすれば一瞬にしてTEXの作業環境が完成します.この方法の良いところは,本自体にTEXの操作方法やプログラミング方法なども載っているので,困ることがほぼないという点です.強いて言うなら,uplatexコマンドでコンパイルするので,先輩が作ったプログラムが同じ形式でない限り内容全てを真似することはできないということくらいです.しかし,操作方法やコマンドは全て本に記載されているので,このことが原因で困ることはないと思います.
本自体は買ってもいいですし,おそらくほとんどの大学の図書館にはあると思うので,それを借りてインストールすれば問題なくTEXの環境は構築できます.
2つ目:ネット上のTEXをダウンロードする方法
こちらの方がおそらく一般的だと思います.まず,以下のページにアクセスして下さい.
https://www.tug.org/texlive/acquire-iso.html
このうち「download from a nearby CTAN mirror」を使って,isoをマウントしてインストールして下さい.ネットワークインストーラだと,大学や会社のプロキシによって遮られる可能性があるので使わない方が無難です.必ずマウントしてインストールするようにして下さい.
細かいインストール手順は以下を参照して下さい.
https://www.meiji.ac.jp/isys/doc/seminar/TeX_install.pdf
パソコンのスペックによってはインストールにかなりの時間がかかるので(2時間くらい),その時は別の作業でもしながらゆっくり待ちましょう.
エディタはTeXworksを使うといいと思います.
2つ目の方法は実体験として,コンパイル時に動作が安定しないことがややあったので(僕だけかもしれませんが),初心者の方には1つ目の方法をオススメします.卒論・修論提出の締切まで切羽詰まっている時に余計なストレスは抱えたくないですよね.
以上がTEX環境の構築についてでした.TEXについてはまだ少し書きたいことなどあるので,それは別記事にて紹介しようと思います.それでは,研究成果を思う存分TEXで表現してみて下さい!
以上となります.