今回は院試の面接で聞かれる内容について話そうと思います.
筆者は大学4年次に慶應や東大など,いくつかの院試を受けました.どれも筆記試験と面接がセットになっており,面接の前日はドキドキだった記憶があります.
大学院入試は大学入試と比べて情報が少なく,全てが手探り状態だと思います(筆者もそうでした).
今回はそんな皆さんのために院試の面接では大体こんな内容が聞かれるから,少なくともこれくらいは準備しておいた方が良いよー,という話をしようと思います.
服装
面接の内容とは少しずれますが,非常に大事な点です.
服装に関して悩む方はかなり多いのではないでしょうか.結論から言うと,スーツを着ていってください.
ネット上には,「スーツなんて着る必要ないよ,私服で十分でしょ」という意見が見受けられますが,それは内部生としてある程度の事情を既に知っている場合です.
外部生がその意見を鵜呑みにしてはいけません.実際,東大のある研究科の院試面接では学生はほぼ私服ですが,慶應の場合はスーツで行かないと普通に注意されます汗.
このように大学によって勝手が異なるので,自分が外部生として受けに行く院試の場合はスーツを着ていくのがベターです.
どうしてもスーツが嫌な場合は,セットアップなどキチンと見える服装で行くのが良いです(パーカーだとTPOを知らない奴だと思われる可能性あり).
志望順位
面接が始まってまず最初に確認されることが多いです.院試では配属希望研究室をいくつか選ぶのですが,事前に提出した順位で間違いはないか確認を求められます.もし間違っていた場合や変更したい場合は,このときに受け付けてくれると思いますのでしっかり確認しましょう.基本的にはこのときの第1志望の研究室に関して話が進んでいきます.
大学院への進学理由
盲点ですが,意外と聞かれます.当日慌てないよう事前に答えを準備しておくと吉です.
特にこだわる必要はなく,素直に答えれば大丈夫です.「~~の研究に興味があり,〇〇研究室であれば自分の希望する研究ができると思ったので進学を希望しました」 くらいが言えれば問題ありません.
間違っても「就職に有利になりそうだから」と答えてはいけません.「大学院は就職予備校ではありません」と厳しい詰めを喰らってしまいます.「モラトリアムを延長したかったから」も当然NGです.
志望理由
続いて第1希望の研究室を志望した理由についてです.何故その研究室を選んだかは必ず聞かれますので,スラスラ言えるようにしておきましょう.
上記の「~~の研究に興味があり,〇〇研究室であれば自分の希望する研究ができると思ったので進学を希望しました」 に理由を付け加えるイメージです.
研究室のHPなどがあればそれを見て具体的な研究内容について言及すると良いです.当たり前ですが的外れな研究内容を言うと「こいつはちゃんとうちの研究室について分かっているのか」と思われ落とされてしまうので,研究室で行われている研究内容については面接までにきちんと調べ上げてください(その意味でも研究室見学はしておくと良いです).
研究室でやりたい研究内容
上記とも少し被りますが,要するに「実際にその研究室に進学したら,具体的にどのような研究をしたいですか?」ということです.
あくまで希望なので,ここは自分がやりたい研究内容をストレートに言ってください.「〇〇がしたいです!」と強い熱意を見せることが重要です.ここで変に遠慮すると,せっかく合格しても不本意な研究をする羽目になってしまいます.
現時点で自分がイメージする,自分がやりたい研究内容をストレートに表現しましょう.そうすることで,研究室の方針と照らし合わせた適切な研究ポジションを任せられることになります.
得意教科・不得意教科
大学の成績表と絡めて答えると説得力が出ます.自分が得意とする教科,苦手とする教科をアピールしましょう.どちらかというと第一希望以外の教授が厳しくチェックする項目になります.
「第1希望を落ちて,うちに採用権が回ってきた場合,この学生を取るかどうか」を判断する材料にしようとします.自分を商品だと思い,実験やプログラミングが得意であることを積極的にアピールしておきましょう.
大学の成績が悪い方は,弁明材料を入れておくことをオススメします.「物理が得意です」とアピールしても,大学の物理の成績が悪い場合,?マークが教授の頭には浮かんでしまいます.
「こういう理由で大学の成績は悪いが,それから頑張った」であるとか,「この分野は非常に得意です」といった大学の不良成績をカバーできる材料を準備しておくと安心です.
不得意教科も基本的には全て本当のことを言うべきですが,その科目が直接研究内容に関わるものだとマズいので,上手く工夫してください.第2外国語や一般教養あたりを挙げておくと無難だと思います.
試験の出来
面接の後半で聞かれる場合も,世間話がてら最初に聞かれる場合もあります.試験結果をフィードバックされたり,試験の出来が悪い箇所について質問されたりします.ここに関しては感想を言うだけで構いません(試験の結果は変わらないので).出来なかったのに出来たと言うのもおかしいですし,その逆もまた然りです.
「試験の出来が悪い箇所については入学までに勉強しておきます」くらいが言えればよいでしょう.
希望研究室以外の合格が出たら進学するか
最後に聞かれるのが,「希望している研究室以外から合格が出たら,その研究室に進学する気はあるか?」についてです.院試というのは大抵の場合,人気研究室に志望者が殺到します.そうなると,成績がそこそこ良い学生が人気研究室からあぶれることになり,人数が足りていない不人気研究室の教授がその学生の採用権を持つのです.
どちらかといえば,大学院側の都合からくる質問ですので,行く気がないのであれば素直に断ってしまって構いません.研究内容というより学歴的にその大学院へ絶対行きたいんだ(オススメはしませんが)といった場合や,大学院全落ちの可能性が怖い人は「行きます」と答えるとよいでしょう.
しかし,大学院の2年間(場合によっては5年間)は短いようで長いので,就職のために興味のない研究を続けることは結構苦痛だと思います(最悪休学・退学もあり得る).できれば自分がやりたい研究をしている研究室に進学しましょう.
以上になります.いかがだったでしょうか.
上記の質問くらいは事前に答える内容を決めておくと,自信をもって面接に臨むことができると思います.