今回は大学院入試における数学のオススメ参考書を紹介しようと思います.
東大や東工大の院試では,多くの研究科で数学を受験する必要があります(筆者も受験しました).院試を受けるのは主に大学4年生の8月ですが,この頃になると大学1,2年生で習った数学は忘れてしまっていることも多いのではないでしょうか.数学の学習は皆さん苦労すると思います.
今回は勉強法も込みで,どんな参考書を使えばよいかをご紹介したいと思います.
マセマの大学数学キャンパス・ゼミ
まずはこれを一通りこなしてください.一通りこなすといっても,「微分積分」「線形代数」「確率統計」「複素関数」「常微分方程式」「フーリエ解析」「ベクトル解析」「ラプラス変換」「偏微分方程式」などいくつも種類があるので一瞬で終わることはないと思います.
微分積分キャンパス・ゼミ 改訂7
自分が受ける研究科の数学の出題範囲に合わせて一通り勉強しましょう.
この本の何が良いかというと,大学の教科書ほど堅苦しくなく,大学受験で使った参考書のノリで大学院入試の勉強ができるんですよね.フォントもとっつきやすいですし,無駄なことが一切書かれていません.必要最低限のことだけ書かれています.
これらの本をこなすことで,数学の基礎は万全になると言ってしまって良いでしょう.
マセマの演習・大学数学キャンパスゼミ
続いては同じくマセマ出版社の演習・大学数学キャンパスゼミになります.こちらも「微分積分」「線形代数」「確率統計」「複素関数」「常微分方程式」「フーリエ解析」「ベクトル解析」があります.
演習 微分積分キャンパス・ゼミ 改訂5
先ほど紹介した大学数学キャンパスゼミは,必要最低限のことが書いてあるといった通り,問題も必要最低限のものしか載っていません.全然良いのですが,少し心もとなさを感じると思います.
このマセマの演習・大学数学キャンパスゼミはそれぞれのテーマに対して,2問程度の演習問題が載っています.分からない箇所があった場合は先ほどの大学数学キャンパスゼミに戻れば解説も書いてあるので安心して演習問題に取り組めるところが良い点です.
「大学数学キャンパスゼミ」と「演習・大学数学キャンパスゼミ」出来れば両方ともやってほしいところですが,他の科目もやらなければいけないなど時間が足りない場合には,不安な単元だけを拾って集中的に学習するのも良いです.簡単で分かり切っている分野の演習をわざわざ繰り返す必要はありません.
過去問
上記2種類の参考書が学習し終わったら,すぐに過去問に取り組んでみてください.
院試の数学は過去問をメインに学習すると良いです.過去問が解ければ院試は受かります.
過去問は各学科のホームページに直近の問題は載っていることが多いので,ダウンロードして印刷すると良いと思います.
また,研究科によっては解答付きであったり,解答がなくても解答付きの問題をネットで販売している人がいたりするので,そういったものを積極的に利用すると良いでしょう.
一番楽なのは内部生の友達に頼んで,解答付きの問題を渡してもらうことですね(大体持っています).
前述した2種類の参考書で基礎は出来上がっているはずですので,全部の問題は解けないにしても基礎的な問題は大方解けるようになっているはずです.
分からない問題が出てきた場合は,ネットや自大の教科書で自分で調べてください(大抵良いところまでは辿り着きます).標準問題~応用問題の傾向は過去問でつかむことをオススメします.
さらにもう一冊数学の参考書を挟むとキャパオーバーになると思うので,マセマの大学数学キャンパスゼミ → マセマの演習・大学数学キャンパスゼミ → 過去問の順に進むのがベストだと個人的には思います.
以上になります.
院試の勉強はおよそ3ヶ月から半年程度の長い戦いになると思いますが,努力が必ず結果に結びつく「受からせるための試験」ですので,地道にやれば必ず合格できます.
是非最後まであきらめず頑張ってください.