今回は院試に落ちたらどうなるのかについて書きたいと思います.あまり楽しい話題ではないですが,気になる方も多いと思います.
筆者自身,大学院入試をいくつか受けましたが,受かるかどうか瀬戸際だったと個人的には思っています.
大学院入試はほとんどの人が合格する試験ではありますが,試験というだけあって一部の人はやはり落ちてしまいます.筆者が通っていた慶應では92-93%くらいの合格率でした.知り合いでも何人か不合格になってしまった人を知っています.
今回はこれらを踏まえて,全ての大学院入試を不合格になってしまった人はどうなるのか,またどうすべきなのかについて情報を共有したいと思います.
選択肢その1:来年度の就職活動に切り替える
最も王道のパターンがこれです.大学院入試は8月ごろに行われるのが一般的なため,同学年の学生たちの就活は既に終わっています.最近は通年採用も増えてきたとはいえ,日系大企業における新卒一括採用の風潮は変わっていません.誰もが知る東証1部上場の大企業に勤めようと思うのなら,必然的に翌年度の就活を行うことになります.
大学院に進学する予定だったのが,いきなり就活をするとなると精神面の切り替えも大変だと思いますが,周りを見る限り最もポピュラーな選択肢がコレになります.
理系職に強いこだわりがない方や,プログラミングといったIT系のお仕事に就くつもりなら正直大学院で研究する必要もないかなと個人的には思ってしまいます(小声).ここは自分の将来と相談,ということになるのですが,余裕を持って就活を始めることができるので,そこまで悲観的になる必要はないかなと思います.
新卒カードを守るため,卒業はしないまま休学や留年の選択肢を取る方が多いです.
選択肢その2:院浪する
次に多いパターンがこれだと思います.ベーシックに院試浪人をし,来年度また同じ大学院入試を受けるというものです.自分の大学の院試を受けるのであれば,研究生という形でそのまま研究室に在籍し続けることが多くの研究室で可能です.これも悪い選択肢ではないと思います.
単純に留年するのと感覚的には近いものがあります.後輩と同じ学年になってしまうというデメリットはありますが,お金を工面することさえできれば,今までと同様の研究をし続けることが出来ます.大学院入試は努力が結果に結びつきやすい試験ですので,1年間真面目に勉強すればほぼほぼ合格します.
選択肢その3:後期の大学院入試を受ける
あまり知られていませんが,大学院入試には後期日程の試験というものがあります.12月から1月2月にかけて行われ,合格した場合は翌年度から普通にその大学院に通うことができます.
旧帝大など有名どころにはあまり後期日程というものは存在しませんが,北陸先端科学技術大学院大学や奈良先端科学技術大学院大学など研究機関として有名な大学院で導入されている事例があるので是非検討してみてください.あまり聞いたことはないかもしれませんが,国立の大学院大学なだけあって研究設備はかなり充実しています.
有名でないからと敬遠するのではなく,一度どんなところか研究室を見学しに行ってみることをオススメします(結構楽しかったりします).
選択肢その4:就活してそのまま卒業する
続いての選択肢がこちらです.8月に大学院入試に落ちてしまった後,9月から3月までの間に就活を行い内定を得て,そのまま大学を卒業し社会人になるパターンです.この選択肢が最もお金の負担が少ないです(損失としては大学院入試の受験料くらいですかね).
落ちた直後の9月から就活をスタートさせるとなると,同学年の学生たちの就活は既に終わっています.その時点でまだ募集をかけている企業に応募することになるのですが,選り好みをしなければ,多くの企業の中から選ぶことができます.
中小企業などは選考を開始する時期が大企業に比べて遅いですし,ベンチャー企業も比較的残っていると思います.日系大企業でも最近は通年採用を実施している企業が多いですし外資も同様です(三菱総合研究所やアクセンチュアなどがパッと思いつきます).新卒一括採用だけを行なっている日系大企業以外は意外と選択肢に入ってきます.
これらの企業に対して自分をアピールし見事内定を勝ち取ることができれば,周りの学生と何ら遜色なく順調に卒業することができます.
いかがだったでしょうか.院試に落ちてしまってもまだまだ挽回するチャンスは残されています.諦めず院試に再度挑戦するも良し,後期日程の大学院入試を受けるのも良し,社会人として未来に羽ばたくのも良しです.ぜひ自分が将来どうなりたいかと照らし合わせて,最善の選択肢を選び取ってください.