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外資系投資銀行の面接で気をつけるべきこと

今回は外資系投資銀行の面接選考で気をつけるべきことを実体験を元に皆さんにお届けします.理系の院卒から外資系投資銀行を受けると聞くと,「なんで?関係なさそう」と思われる方もいると思います.しかし実際に院卒から外資系投資銀行や外資系コンサルティング会社にいく学生はかなり多く,僕の周りでも何人かいます.この記事では,外銀の選考を受けた私の実体験をもとに,面接で気をつけるべきことをお話しします.正直,最初から知っているか知っていないかでかなり違いが出てくるのではないかと思います.それではいきましょう.

英語を喋れるようになっておく

まず1つ目ですが,英語を喋れるようになっておいてください.外資の会社を受けるのだから,当然と言えば当然なのですが,選考から英語力(特に英会話力)はガンガン問われます.選考どころか,会社説明会に付随する懇親会で英語話者の方(日本語は喋れない)と雑談する場面が出てくるので,外銀を受ける上で英会話力は必須です.「どうやら入社後に英会話は頑張ってくれれば良いというスタンスではないな」とこの時察しました.また最近は,最初の選考としてビデオ面接が課されるケースが増えてきています.iPhoneやiPadを使ってビデオを録画し,会社に選考資料として送るというものです.ゴールドマンサックスやモルガン・スタンレーでは無かったような気がしていますが,他の多くの外銀・外コンで導入されているように感じました.当然ですがこのビデオ面接は英語です.質問内容が表示されたり,録画の面接官が喋った数十秒後に英語で話し始める必要があります.

テストセンターやES,もしくはビデオ面接に通過すると,実際に本社に呼ばれ面接がスタートします.私の時は面接官は全員日本人でした(多分).ですがここで油断していると痛い目に遭います.日本人だからといって日本語で面接してくれるわけではありません.外銀の面接は部署にも依りますが,日本語面接・英語面接が合わせて行われることがあり,英語で面接する機会が多数あります.面接の形式としては,これも部署によって違いましたが,学生5,6人に対して面接官1人で順番に回答していくスタイル,学生2人に対して面接官も2人のスタイルがありました.ちなみに選考が進むと,実際の仕事場にあるミーティングスペースに呼び出され1対1の面接に切り替わります.1対1の面接では社員さんが代わる代わる交代し,1人20分程度でディスカッションという名の選考をこなしていきます.当然英語話者の方もいるので英語が喋れることは必須です.英語がおぼつかないと面接の内容以前にコミュニケーションが上手くいかないので落とされます.

どれくらいの質問が英語で答えられれば良いのか気になると思うので,会社名は出せまんが1つ実際に出された質問を共有します.

「What are your three strong points and three weak points? Please add a reason for each.」

この質問を聞いた時,頭が真っ白になりました.「えー!,多すぎやしませんか?」と.正直日本語でも厳しい内容です.日本語に直すと「あなたの長所と短所を3つずつ教えてください.理由も込みで.」となります.私はグループ面接で一番端に座っていたため,この質問にノータイムで英語で答えることになってしまいました.このくらいの質問が英語で難なく答えられるようになっているとベストです.

英会話の練習にはDMM英会話が良いと思います.25分のレッスンがおよそ200円という超破格で受けられますので,ぜひ活用しましょう.

市場に対して自分なりの意見を持つ

2つ目ですが,市場に対して自分なりの意見を持っておくようにしてください.これは外資系投資銀行に限らず,日系投資銀行やアセットマネジメント会社でも重要なことなのですが,あまりに大事なのでここに書きました.「市場」というと難しく聞こえるかもしれませんが,1つの業界でも結構なので,昔から現在までその業界の株価がどういう変化をしていて,今後どうなっていくのか,根拠も併せて考えることが重要です.例えば,日本の半導体業界は昔隆盛していましたが今は斜陽産業と呼ばれています.また日本のハードウェアは近年,世界に対して競争力を持つことが難しくなっています.それは何故なのかということまで含めて,自分の取りかかりやすい業界でトライしてみてください.特定の業界だけでも知見があれば,面接で聞かれたことに対して乗り切りやすくなります.この知見をどこから仕入れてくるかですが,私の場合は大学の授業で聞いた教授の話から結論だけを拾って,そこに至る筋道は本などを参照にし自ら組み立てました.教授はその道のプロなので,理系学生であればテクノロジー系の情報は仕入れやすいと思います.教授に限らずとも,各業界のフォーラムに参加するなど(最近は沢山のフォーラムの内容がYoutubeに落ちています)情報を仕入れる先は無数にあります.その内容を受け売りで話すのではなく,しっかり自分の中で腹落ちさせて,自分の意見として語ることができるようになっておいてください.筋道は自分で考えた方が意見に説得力が出ます.

また投資銀行や資産運用会社に新卒で入りたいのであれば,出来れば自分で証券口座を作って株式の運用をすることをオススメします.今はNISAなども有名ですし,証券口座を作って損をすることはありません.実際に投資をしてみて,自分が思う通りに株価が動かないこと,海外の市場や金利に連動して株価が上下動することなど多くを経験してください.このあたりの温度感を知っていることで,投資の難しさや,ポートフォリオをどのようにして組むべきかといった事項に対して,面接官とのフィーリングが合ってきます.疑問に思うことがあれば,自分の意見を持った上で面接官に逆質問してみても良いでしょう.きっと自分の上を行く予想外の答えが返ってくると思います.

書籍などを活用するのもアリです.ウォーレンバフェット関連の本や,「敗者のゲーム」など投資に関連する有名な本は無数に存在します.それらの客観的な事実を参考にした上で,自分の意見を持っていると前向きな姿勢が評価されると思います.

数字に強くなっておく

抽象的な表現で申し訳ないのですが,選考を突破するには必須の条件になります.外資系投資銀行は高学歴の学生に人気で,実際に社員の方も高学歴な方が多いですが(体感は東大6割,慶應2割,京大・一橋・早稲田・海外大が合わせて2割),これは単に学歴の問題ではなく,その方たちが数字に強いことからきていると考えています.1on1での面接は,半分雑談のようなものから始まります.聞かれることは志望理由や会社で何をしたいか,何を目指しているのか,という一般的なものですが,たまに地頭を試すような数字のロジックの問題を出されます.僕の時は詳しい内容は忘れましたが,宝くじを題材にした確率の問題だったと記憶しています.雑談の中で出題されるのでノータイムで答える必要があります.ここらへんの数字に対するセンスは,私も大したことがないので偉そうなことは言えないのですが,計算力やロジック思考の力はあるに越したことはないです.今は嬉しいことに,本屋にも数字を用いたロジックに関する本や,統計に関する本などが山ほどあるので,それらを活用して数字に強くなっておくことをオススメします.ゴールドマンサックスなどは最初テストセンターで英語や数学の試験を受ける必要があるのですが,ここは足切りなどとは思わずに,可能な限り高得点(出来れば満点)を取ってください.面接を受けて知りましたが,面接官(というより社員)は意外と点数を気にしています.「〇〇さんは英語は92点だけど数学は84点だねー,数学苦手?」といったことを平気で言われました(点数はテキトーです).その場はなんとか凌ぎましたが,やはり成績は良い状態で臨んだ方が印象はよくなります.ちなみに1on1の面接は,面接してくれた社員の方が全員GOサインを出さないと,次の選考に進めないと巷で言われているのでミスは禁物です.気を引き締めて取り掛かるようにしてください.

以上が外資系投資銀行で気をつけるべきことになります.兎にも角にも英語力は必須です.英会話を満足にできるような状態にした上で,金融・投資知識や数字のセンスを磨いていってください.

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