研究室

研究室見学のすすめ

今回は,他大の院試を受けるにあたり研究室見学はした方が良いのか,研究室見学をする際はどのような箇所を見るべきなのかを解説します.

まず,他大の院試を受けるにあたり研究室見学はした方が良いのかですが,研究室見学は間違いなくした方が良いです.躊躇う気持ちも分かりますが,行く可能性のある研究室は事前に研究室見学をしましょう.

アポイントの取り方

研究室見学の仕方ですが院試の3ヶ月ほど前に各大学,院試説明会が開催されます.研究室見学のアポイントはその際に取り付けるのが最もスムーズだと思います.院試説明会は院試自体の説明ももちろんですが,その専攻に所属する研究室ごとに教授や学生が研究内容の説明をしてくれることが多いです.その時に研究室見学の日程が併せて発表されたり,学生の連絡先を手に入れることができるのでコンタクトを取って実際に研究室見学に向かいましょう.

院試説明会が終わっている場合,研究室のHPから教授や学生に連絡をとってみましょう.まず教授に研究室見学をしたい旨のメールを送り,返事が返ってきたらその場でアポイントを取ります.教授は忙しいので連絡が返ってこない場合もありますが,その時は博士課程や修士課程の学生に連絡を取りましょう.基本的には他大の学生もウェルカムな研究室が多いので,丁寧に対応してもらえるはずです.

そもそもなぜ研究室見学をした方が良いのか.これは自分が希望する研究内容が本当にその研究室でできるかを確かめるためです.また,研究室の雰囲気がどのようなものかを実際に確かめるためでもあります.皆さんご存知かもしれませんが,研究室には非常に良い雰囲気で研究も盛んに行われている研究室,研究環境がブラックで休学者や退学者が相次ぐ研究室,学部4年の学生がほぼ就職してしまい修士や博士に学生がいないため研究が全く行われていない研究室など様々あります.これら研究室の違いはホームページ上の情報だけでは判断できず,実際に足を運ぶ必要があります.

研究室で見るべき箇所

次に研究室に足を運んだ際,研究室のどこを見れば良いのかを全部で4つお教えしましょう.まず1つ目が,博士課程の学生がどれくらい研究室にいるかです.一般的に博士課程の学生が多い方が研究は盛んに行われている可能性が高いです.理系の学生は修士課程で就職することが多く,博士まで進学する学生は少数です.しかし研究においては博士課程の学生が研究を主導することが多く,修士課程の学生のみの研究室に比べ研究競争力を有します.これは博士課程の修了判定条件に論文数が課されているためであり,逆に言うと論文を書くことができる優秀な学生が博士課程に進学するためでもあります.研究室で見るべき箇所の2つ目は,休学者と退学者の人数です.基本的に教授や先輩の面倒見が良い場合,休学者や退学者はあまり存在せず(例外はありますが)雰囲気が良いことが多いです.逆に休学者や退学者が各学年に1人や2人平気で存在する研究室は,教授や先輩の面倒見が悪かったり,モラハラやアカハラに関してグレーだったりします.休学者や退学者は研究室における最も隠したい暗部であり,逆に研究室見学において最も聞くべき箇所であったりします.そのような研究室に進学する場合は,自分も来年そうなる可能性を考慮に入れて,教授や研究室との相性を見る必要があります.研究室で見るべき箇所3つ目は,研究室の雰囲気です.これは飲み会や合宿などのイベントの回数,また研究室の規模(人数)にも左右されます.イベントの回数が多い研究室ほどアットホームで研究熱心な傾向があり,イベントの回数が少ない研究室ほど放任主義で自由な傾向があります.これはどちらが良い・悪いの話ではなく,完全に個人によると思います.また研究室の規模に関してですが,イベントの回数が多い研究室は比較的大所帯なところが多いです.ここでいう大所帯とは1学年の人数が5人以上のことを指しています.逆に当然と言えば当然ですが,人数の少ない研究室(1学年の人数が1-2人)ではイベントなどの催し物はほぼありません.「修士・博士になっても学生生活を楽しみたい!」という方は,1学年の人数が5人以上いるような大所帯の研究室をおすすめします.逆に「研究だけ出来ればいいや,飲み会とかイベントとか面倒くさい」と思われる方は少人数の研究室に行かれることをオススメします.個人的には大所帯の研究室の方が楽しい研究生活を送れる気がします.修士・博士課程では研究室中心の生活になりがちなので,研究室の人数が少ないと関わるコミュニティも小さくなり窮屈に感じる可能性があります.研究室で見るべき箇所,最後の4つ目は,自分のやりたい研究ができるかどうかです.今まで色々書きましたが,最後の4つ目が最も大切な見るべき箇所です.研究室の雰囲気や教授との相性を見る前に,自分がやりたい研究ができるかどうかを一番の軸にしてください.理系で大学院に進学する人の中には,将来研究開発職に就きたい学生も多いと思います.研究開発職の就活では,自身の研究内容を発表する機会が多くあります.その際,自分が志望する職種と学生時代の研究内容に親和性があればあるほど選考は有利になります.逆に学生時代の研究内容と志望する仕事内容があまり乖離している場合,発表に工夫が必要になってきます.自分が将来就きたい仕事や研究したい内容を思い浮かべ,それに最もつながる研究内容を行うことができる研究室を志望してください.有意義な学生生活が送れるはずです.

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